小学校の頃に、天秤の片側に計るための物を乗せ、色々な分銅を乗せて重さを計るという経験があると思います。重さを計るという機能以外に、先に重さを決めて、釣り合うように天秤に乗せていくという使い方もあります。そして他には計りが正しく機能しているのかを調べる校正としての使い方もあります。その基準が狂っていれば計りとしての意味は薄くなります。そしてその重さは小学校の頃に見たことあるのはせいぜい数グラムですが、実は数キログラムのものまであり、トラックスケールといわれる、トラックに積載したままでも計量する大型の計量器でも密接な関係があります。日常の中では、あまり見る事はないですが、自分の身近な計りや、その他の生活に密接した物に関わる事が多いため、その正確性は非常に重要なことです。
校正の時に使う分銅はデリケートな取り扱いが大切
分銅の取り扱いは非常にデリケートです。校正の時には、温度20℃における密度を8000㎏/m³、空気の密度を1.2㎏/㎥とみなした場合の質量値を協定値として、厳密に測定します。また実際の使い方や保管にも細やかな気遣いが必要です。まず素手で触らないというのは大原則です。素手で触る事で手の油や塩分が付いて錆びてしまうことがあります。錆びる事で質量変化が起こり重さも変わります。またぶつけたりすることで傷ついて質量が減ることもあります。ピンセットは木製のもので、先にはゴムのカバーが付いたものを使うことも大切です。保管時にはホコリや汚れ、湿気が付かないように、乾燥剤や金属ロッカーなどに入れて厳重に保管することが大切です。様々な場面に使うものですから、使う方法や取り扱い方には十分注意して、正しく計測することで大切です。
分銅の校正は信頼を得るためにも必要です
分銅だけでなく、計測器も、仕事で使っている物は1年から2年に1度は校正をする必要があります。また他に日常点検や定期点検もする必要があります。日常点検は使用前に汚れなどを確認することや、計りもゼロに戻るのかを確認します。このような点検をすることで計測器だけでなく、その計測器を使って作っている商品に対する信頼も得られます。そのためにも第三者機関に定期検査を依頼することが大切です。他に分銅の材質も一度考えてみるのも大切です。例えばステンレス製は耐久性が高く、質量の変化が少ないです。黄道クロムメッキ製は腐食の可能性が高いがステンレスよりもコストが低いです。安ければいい、高ければいいというわけでは無いですが、メリット、デメリットを考慮できる選択肢があることは、知っておくことが大切です。